たまプラーザ駅徒歩2分 皮膚科 小児皮膚科 山本皮フ科クリニック

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ニキビ(尋常性ざ瘡)

ニキビ(尋常性ざ瘡)について

ニキビ(尋常性瘡瘡)は、思春期以降に顔や背中、胸などの皮脂腺が多くある部位に毛穴のつまりや炎症を起こす慢性的な疾患です。
思春期やストレス、その他の原因でホルモンバランスが乱れると、皮脂分泌が高まり、ニキビができやすくなります。
本邦では90%以上の人が経験することから「ニキビは青春のシンボル」と言われ、生理的現象とみなされ、医療機関に受診することは少ない疾患でした。
一方で、症状が軽くても、放置して炎症が強かったり、長引いたりした結果、瘢痕(ニキビ跡)が残ってしまうため、早期に治療することが大切とされています。
当院では、軽症から重症まで、ガイドラインに基づいたニキビ治療を行なっています。

ニキビ治療

ニキビは思春期の13歳頃からでき始め、高校生にかけて悪化のピークを迎えます。また成人になっても症状が継続することも少なくありません。

ニキビの主な原因はホルモン分泌活性による「皮脂分泌の増加」、「毛穴のつまり」、「アクネ菌増殖による炎症」が影響していると言われています。

一口にニキビと言っても単一の皮疹があるわけではなく、いくつかの種類が混在しています。
とくに「毛穴のつまり」であるコメド(面ぽう)がニキビのスタートであり、毛穴のつまりを改善する薬が重要になります。
もちろん、「アクネ菌増殖による炎症」で赤ニキビがある場合は抗生剤の外用薬や内服薬を使うこともありますが、これらの薬は耐性菌を発生させる懸念があるため、なるべく短期の使用に留めることが大切です。

ニキビの治療薬

【外用薬】

①おもに「毛穴のつまり」を改善する薬 (面ぽうを改善する薬)
  • ベピオ®ゲル・ローション(過酸化ベンゾイル)
  • デュアック®(過酸化ベンゾイル+クリンダマイシン)
  • ディフェリン®(アダパレン)
  • エピデュオ®

②「アクネ菌増殖による炎症」を改善する抗生剤(炎症性皮疹を改善する薬)
  • ダラシン®(クリンダマイシン)
  • アクアチム®(ナジフロキサシン)
  • ゼビアックス®

【内服薬】

  • 抗生剤内服:「アクネ菌増殖による炎症」(炎症性皮疹)がより強い場合
    ビブラマイシン®、ミノマイシン®、ルリッド®、ファロム®など

当院でのおもな治療

当院での治療はすべて保険適用です。
院長の所属する日本皮膚科学会・尋常性ざ瘡(ニキビ)ガイドラインに則り、エビデンスに基づく、症状に合った標準的な治療を行なっています。

皮膚の症状を診させていただき、面ぽう(白ニキビ)が主体なのか、炎症性皮疹(赤ニキビ)が主体なのか、その両方が混在しているのかを確認します。

面ぽう(白ニキビ)が主体の場合には①の「毛穴のつまり」を改善する薬を使用します。
治療経過には個人差はありますが、まったくの無治療の場合は、最初はベピオ®ゲル・ローション(過酸化ベンゾイル)を3ヶ月程度使用し、改善傾向であればそのまま継続し、改善が乏しい場合はディフェリン®(アダパレン)やエピデュオ®に切り替えます。他院での治療歴がある方は別の外用薬からスタートする場合もあります。

炎症性皮疹(赤ニキビ)の場合には、①の毛穴のつまりを改善する薬に、②の抗生剤の外用薬(ダラシン®、アクアチム®、ゼビアックス®など)、さらに難治性の場合には抗生剤の内服薬(ミノマイシン®、ビブラマイシン®、ファロム®など)を併用します。
このほか、ホルモンバランスを整える目的で漢方薬の処方、またビタミン剤を処方することもあります。

ニキビは長期に治療を続けることで少しずつ改善することが多い疾患です。とくに「毛穴のつまり」を改善する薬はすぐに効果は発揮しません。
経過には個人差がありますが、まずは3ヶ月を目標に根気よくお薬を塗り続けることが大切です。根気よく治療を継続することで、ニキビのできにくい肌を目指すことができると考えています。