2024/10/29
10月29日にアトピー性皮膚炎治療剤・尋常性乾癬治療剤「ブイタマー®クリーム1%」(一般名:タピナロフ)が新発売となりました。
ブイタマー®クリーム1%は、芳香族炭化水素受容体(aryl hydrocarbon receptor;AhR)を活性化し、アトピー性皮膚炎および尋常性乾癬の症状を改善する治療用AhR調節薬です。炎症性サイトカインを低下させ、抗酸化分子の発現を誘導して、皮膚の炎症を抑制するとともに、皮膚のバリア機能を改善します。
アトピー性皮膚炎の外用治療薬は、これまでステロイド外用薬やプロトピック軟膏、近年になりコレクチム軟膏やモイゼルト軟膏が使用されていますが、とくにステロイド外用薬はアトピー性皮膚炎の基本治療ではありますが、長期的に使用すると皮膚萎縮や毛細血管拡張などの局所的な副作用の発現に注意が必要です。その点、ブイタマークリームの副作用は使用部位の毛包炎やニキビ、接触皮膚炎など軽微なものがほとんどです。
また尋常性乾癬の外用治療薬は、ステロイド外用薬やビタミンD3外用薬、ステロイド外用薬/ビタミンD3外用薬の配合剤が使用されていますが、やはりステロイド外用薬の局所的な副作用の発現には注意が必要です。
今回、新たにブイタマー®クリーム1%の登場により、アトピー性皮膚炎および尋常性乾癬の外用治療薬の新たな選択肢が増え、患者さまの治療により貢献できるものと考えております。
ご興味のある方は、是非一度ご相談ください。
「ブイタマー®クリーム1%」
【効能・効果、用法・用量】
アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬
《アトピー性皮膚炎》通常、成人および12歳以上の小児には、1日1回、適量を患部に塗布する。
《尋常性乾癬》通常、成人には、1日1回、適量を患部に塗布する。
【アトピー性皮膚炎の有効性に関する試験】
中等症または重症の12歳以上のアトピー性皮膚炎の方を対象にした臨床試験において、ブイタマーのみを塗布したグループでは塗布8週時で、20.24%の方で症状が消失またはほぼ消失したのに対して、プラセボ群では2.24%の方しか症状に改善がみられませんでした。また、ブイタマーを塗布したグループでは塗布継続52週時で、41.3%の方で症状が消失またはほぼ消失して症状の改善がみられました。
【尋常性乾癬の有効性に関する試験】
軽症~重症の18歳以上の尋常性乾癬の方を対象にした臨床試験において、ブイタマーのみを塗布したグループでは塗布12週時で、20.06%の方で症状が消失またはほぼ消失したのに対して、プラセボ群では2.50%の方しか症状に改善がみられませんでした。また、ブイタマーを塗布したグループでは塗布継続52週時で、56.3%の方で症状が消失またはほぼ消失して症状の改善がみられました。
【副作用】
使用部位の毛包炎・ざ瘡(ニキビ)・接触皮膚炎など。
【薬剤費用】
1353.6円(15g/1本:3割負担の場合)※その他に診察料等がかかります。