たまプラーザ駅徒歩2分 皮膚科 小児皮膚科 山本皮フ科クリニック

８月22日に特発性慢性蕁麻疹（原因不明）の注射薬である「ゾレア®皮下注300mgペン」が新発売となりました。

蕁麻疹は、血中のIgEなどが皮膚のマスト細胞を活性化することで、マスト細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの炎症を起こす化学物質が放出されて起こると考えられています。

ゾレアはこの特発性慢性蕁麻疹を起こす元のひとつと考えられているIgEを抑える作用があるお薬です。（2009年に気管支喘息、2017年に特発性の慢性蕁麻疹、2019年に季節性のアレルギー性鼻炎の治療薬として承認） 既存の治療で効果不十分の原因不明の慢性蕁麻疹に対して、これまで月に１回、150mgのシリンジタイプを２本注射する必要がありましたが、今後は月に１回、300mgのペン型１本のみの注射となりました。

投与本数が減ることにより患者さんの負担が軽くなり、またペン型となったために注射手技が簡便になり、患者さんご本人による自己注射もよりスムーズになっていくものと思われます。

ゾレアは「日本皮膚科学会蕁麻疹診療ガイドライン2018年」で推奨されている3ステップ目の生物学的製剤として、2024年２月より追加承認されたデュピクセント注射薬とともに難治性の特発性慢性蕁麻疹の有効な治療選択肢の一つとして期待されています。

ご興味のある方は、是非一度ご相談ください。

ゾレア®皮下注300mgペン

【効能・効果】特発性の慢性蕁麻疹（既存治療に効果不十分な方）

【用法・用量】通常、成人及び12歳以上の小児に1回300mgを4週間ごとに皮下に注射します。

【ゾレアが適用となる特発性の慢性蕁麻疹】食物、物理的刺激などの蕁麻疹の症状を誘発する原因が特定されず，抗ヒスタミン薬の増量などの適切な治療を行っても、日常生活に支障をきたすほどの痒みを伴う膨疹が繰り返して継続的に認められる場合にゾレアを追加して投与します。

【薬剤費用】 40091円（300mg2ml1キッﾄあたりの値段） 自己負担額：約12000円（1キットあたり、3割負担の場合） ＊その他に診察料等がかかります